せーじ Words Worth (Win95/98) を語る

elfさんのゲーム「Words Worth(Win95/98)」について語っているページです。


Words Worth がはじめて世に登場したのは 1993年。 当時、PC9801シリーズ用 と FM-TOWNS 用が発売され、 グリグリ動く 3Dダンジョン と 悠里愛氏原画の美麗フルスクリーンCGが 非常に優れた作品でした。 PC9801シリーズ用ではディスク13枚組みという、 当時としては大容量のゲームであり、 CD-ROMがあたりまえとなった今では(そしてこれからは DVDか?)考えられない パッケージ構成であったのも特徴です。 パッケージを手に取ったときのあのズッシリとした感覚は今も覚えています。

1999年に再度登場した Win95/98 版 Words Worth は、 この旧作のリニューアルという位置づけではありますが、 リニューアルというよりは、新作という感じに近いというのが私の印象です。

たとえば、ゲームのジャンルから見た場合、 旧作および今回のWords Worth(以下、WW)のマニュアルではこのゲームは 3DダンジョンRPG となっていますが、実際にゲームをプレイしてみると、 3DダンジョンアクションRPGであることに気がつきます。 ダンジョンの壁や床がポリゴンで表現され、 この中をこれまたポリゴンで表現された敵キャラクタが徘徊しているのです。 これらの敵キャラクタと戦闘は戦闘画面への画面切り替え無しにリアルタイムに 行われます。つまり通常の 3Dアクションゲームとなんら変わりがありません。 ぼーっとしていると(ぼーっとしていなくても)気がつくと 3方から敵に 囲まれタコ殴りにされてしまうこともあります。

このように今回のWWはオブジェクト、敵キャラクタなどがポリゴンで表現された 3Dゲームであるため、ゲームを快適にプレイするためにはそれなりに 高速なCPU と 3Dアクセラレーション機能をもったビデオボードが必要になります。 この WW のために自分のマシンを強化した人も結構いることでしょう。 もちろん、私もその中の一人です。 (詳しくは書けないけど、タイミングがよかったというのが正解。)

3Dポリゴンで表現されている以外に 今回の WW と旧作との大きな違いの一つにあげられるものに原画家があります。 旧作の原画家は悠里愛氏でしたが、今回の WW の原画家は OVA版「同級生2」の キャラクタデザインのりんしん氏になっています。 これに関してはいろいろと意見がある人もいるとは思いますが、 とりあえず私は旧作の原画も今回のWWの原画もそれぞれ非常に気に入っています。 唯一「シャロン」を除いて。 今回のシャロンはヒロインのキャラとしては旧作に比べると インパクトに欠けると思うのです。

原画家が変わった割に旧作と今回のキャラクタの雰囲気が あまり変わらないキャラクタもいますが、その一方で やはり説明されないと誰だかわからないキャラクタもいます。 たとえば、ワイスは設定がじじからばばに変わっているため当然外見は異なっています。 クラブは旧作ではやることとその姿の間にかなりのギャップがありましたが、 今回のデザインではしっかりと狡猾な男にデザインされています。 シルバーナとダルクもデザインはかなり異なっており、 したがって、その娘のエオリアとベガも違うし、 おばさん版のシルバーナとダルクも雰囲気がかなり異なっています。 旧作のおばさん版はたんに化粧を濃くしただけのように表現されていた (もしかすると、悠里愛氏はノータッチだったかもしれない)のに対し、 今回はしっかりとおばさん風なキャラクタとしてデザインされています。 また、リゲルとアルゴは格好良くかかれているし、 デルタもかなり奇麗に描かれています。 全体的には、原画を新調したのはよかったとは思いますが、 やはりシャロンのデザインはもう少しインパクトのあるものにして欲しかった と思います。

旧作と今回の WW の相違点として私が感じたものの最後にシナリオがあります。 とはいえ、大筋は旧作と変わりありませんが、 旧作では語られなかったエピソードが数点追加されていたりします。 またシナリオに関してもっとも大きな差異はHシーンについて顕著にみられます。 今回のWWは当初 Sega Saturn 用として開発されていた (と思っていたが)経緯があるせいか、旧作にくらべHシーンのシナリオが ソフトになっているようです。 実際のところ主人公の性格が変更されているというのが正しいのかもしれません。 その主人公の性格ゆえ、旧作に比べ主人公に対して好意を持ってくれるキャラクタが 一人増え、すなわちエンディングの数が一つ増えることになっています。

さて、このゲームは 美少女ゲームであると同時に、 Direct3D を用いた 3Dアクションゲームであるという 側面を持っているため、通常の美少女ゲームで評価されるもの以外に アクションゲームとしての評価をする必要があると思われます。 このゲームを快適にプレイするためにはゲームパッドがあった方がよいようです。 推奨は Microsoft SideWinder ゲームパッドとなっており、 私は偶然(必然か?)にもこれを所持しています。 また、CPU と 3Dカードも推奨以上のもの、インストールもフルインストールと 万全の態勢でプレイしてしてみました。 こうした態勢でプレイすると、描画の遅さ、CD-ROM へのアクセスの遅さ、 キーボード操作による不満などを一切除去して、単純にアクションゲームとしての 評価を行うことができると思うのです。 実際、最初はフルインストールではなく、 推奨インストールでプレイしてみたのですが、 ダンジョンを歩いているとマップデータをロードしにいくのか、 すでに回転のとまったCD-ROM をアクセスするため、 ゲームがそこで少し止まる現象がたびたび発生しました。 気にしなければ、そうでもないのですが、 はやりこれから何時間もかけてプレイするには 辛いと思ってフルインストールしてみたところ、 ウェイトなくスムーズにダンジョンを移動できるようになりました。 やはり、快適にプレイするならフルインストールをお勧めします。

そうした快適な状態でプレイしてみた最初の感想としては、 意外によくできているという感じでした。 敵キャラクタのモデリングも意外にしっかりしているし、 戦闘もそれなりにできる。 ただ、意外によく出来ているというのであって、 すばらしく良く出来ているという印象ではないのですが。 特に気になるのがパッドによる直接移動。 最初のうちは サイドワインダーゲームパッド自体がもともと操作しやすいゲームパッドではない というのも手伝って、思うようにダンジョンを徘徊することができなかったわけです。 そのうち、どうして思うように移動できないのか段々とわかってきました。 私としてはなんとなく N64 の「マリオ64」 や「セルダの伝説〜時のオカリナ」 のノリで操作していたのですが、それがいけなかったようです。 パッドの上を押すと前進し、左を押すと左回転する仕様なのはこれらと 同じなですが、斜め上を押したときの挙動が異なっています。 斜め上を押すと感覚的には左に回りながら前進するというのを期待しているのですが、 WW では前進するのみ。 移動方向を変更するには一度停止しなければいけないのです。 まったく、ロボコップじゃないんだから前進しながら方向転換くらいさせて欲しい ものだと思ったりもしました。 また、WW は360度どの方向にでも移動できるようで、実際は 30度単位でしか 移動できないことも移動を難しくしている要因だと思われます。 オートマッピングとの兼ね合いでそのような仕様にしているのかいささか不明ですが、 この手のゲームはいかに自由に移動できるかで印象がだいぶ違うし、 またこれは戦闘に大きく影響するので、 次回の 3Dゲームではこの点が改善されることに期待したいところです。 しかし、いつも思うのですが慣れとは恐いもので セカンドプレイを少しやってみると、 なに不自由なく移動することができてしまいました。

戦闘シーンに関しては、敵がこちらの攻撃を防げるのに対し、 こちらは相手の攻撃を防げないのには疑問を感じました。 もしかすると、マウスやキーボードでも同じようにプレイできるようにした 結果なのかもしれません。 とにかく戦闘シーンに関して一番声を大にして言いたいのは 「Z注目させてくれ!」 ということでした。

パッドのキーアサインとしては、 とりあえず、Lボタンを押しながら方向キーでカニ歩きにして欲しかったのですが、 よく考えたら、これはサイドワインダーゲームパッドの方の設定で変更可能ですね。 あとは、Rボタンで盾を構えるだと最高だったのですが。

ゲームのシステム全体が Direct3D を用いたものになっているという以外に 今回の WW ではシステムが旧作に比べいくつかの細かい点で改良がなされています。 気がつくところでは、旧作ではダンジョンを歩いているときに 唐突に人物に遭遇していたのが、今回は遠くにその人物がいるのが 見えるようになりました。 旧作では衛兵が突然現れると驚くようなことがあったかもしれませんが、 今回は心構えをして臨むことができるようになったわけです。 また、同時に人物がどこにいるのかはマップの方にも表示されるようになったのも 大きいでしょう。 逆に言えば、旧作に比べ通路が広くなった今回のマップでは そういうシステムにしてもらわないと 人物と遭遇しイベントを発生させるのが難しくなるという話もあります。

移動に関しても、ドラゴンナイト4以降で採用されているマップ中の指定した位置まで 勝手に歩いてくれるシステムも採用され、 これで方向音痴な人も大丈夫なようになっています。 通路が広くなりマップ全体も格段に広くなった今回の WW ではこのシステムを うまく利用しなければ、実は非常に辛いという話もあるのですが。

店屋での買い物のシステムも改善されているのですが、 実はちゃんと説明書を読まないと、逆になんだか不便な感じを受けるかもしれません。 当初、目的の物にカーソルを合せ、ボタンをちょこっと押したところ、 なにらや反応はしたけど実際にはなにも購入できていなかったので、 なにかと考えてしまった経験があります。 実は武器購入時に装備できることなどは、 一度エンディングを見た後に気がついたという話もあります。

グラフィックに関してはいつもながら全く文句のつけようがありません。 旧作のように、部分的に奇麗ではないCGが紛れているということはなく、 すべてのCGが超美麗です。 毎回、これ以上奇麗なグラフィックはないだろうと思うのですが、 新しいゲームが出るたびに前回のグラフィックを超えているのがすごいです。

お買い得度としては、今回の WW を快適にプレイするに十分なスペックの マシンをもっており、サイドワインダーゲームパッドを使ってプレイするなら 十分お買い得だと思います。 スペックが低いマシンだとゲームの快適性が失われ、その分お買い得度が 下がる気がします。快適でない環境で苦労して到達したHシーンイベントは 前述したとおり旧作に比べるとソフトであっさりしているので、 Hシーンが目的であればその苦労は報われないかもしれません。 今回の WW はいろいろな意味であまり 18禁という感じがしないゲームだと 思いました。


Return