せーじ リフレインブルーを語る

elfさんのゲーム「リフレインブルー」について語っているページです。

スペック
発売日 1999/11/26
動作環境 Win95/98
色数 フルカラー
ジャンル ノベル
値段 8800
メディア CD 2枚
音楽 CD-DA
音声 WAV

エルフの約1年半ぶりの完全新作『リフレインブルー』。 とは、リフレインブルーと同じ日に発行された 雑誌「電撃姫SPECIAL」による紹介文の一説。

エルフゲームの新作としては 今年の春、夏にリニューアル版のワーズワースと同級生が発売されています。 このリフレインブルーは 『完全新作』と表現されるように、 『臭作』以来のリニューアルでない久しぶりの新作なのです。

そして、その久しぶりの新作がエルフ初のノベルタイプというのだから、 気にせずにはいられない作品です。

パッケージ

今回のパッケージは通常のものと比べると、コンパクト。 だけど、手に持つと意外にズッシリとした重量感があります。 見た感じはハードカバーの本のようになっているのだけれども、 その実、本当に本になっているのだから驚きです。 漫画などで本をくり抜いてヘソクリを隠したりしているのを 目にすることがありますが、 そんな感じで本の中に CDのケースが入っています。 エルフ内部でも“会心のデキ”といわれているようで、 実際、なかなか面白いパッケージだと思います。 ただ、面白いのですが、問題もあります。 それは収納です。 他のパッケージと並べて縦置きにしたら、 中身が出てしまいそうになるんですよね。 ワーズワース(Win95/98) のマウスパッドもそうでしたが、 これも収納に多少難のあるパッケージの一つではないでしょうか。

ファイル構成

とりあえず、なにも考えずに MamiWalk を使って リフレインブルーをインストールしてあるディレクトリに 移動して、拡張子が ARC になっているファイルにカーソルを 合せ、ENTER を押したり、ダブルクリックしてみました。 そうすると問題無く、アーカイブの中が覗けることがわかりました。 どうやらリフレインブルーで使われている音声は WAV で、動画は AVI で、 静止画は G24 のようです。 音声、動画は MamiWalk でそのまま再生可能。 静止画は G24 なので、MamiList3 でないと見れませんが、 とりあえず、今回も解析する手間が省けました。 ちなみに、BGM は CD-DA です。

さて、G24 の画像の閲覧方法ですが、お分かりでしょうか? 従来だと MamiGDIR と MamiList の組み合わせで閲覧していました。 MamiWalk と MamiList3 の最新版(1999/11/26現在) がインストールして 状態なら、MamiGDIR & MamiList の組み合わせより、 MamiWalk & MamiList3 の組み合わせの方が閲覧しやすいです。 まず、MamiWalk でリフレインブルーがインストールしてあるディレクトリに移動し、 ファイルBG.ARC の上にマウスカーソルをあわせて右クリックして、 表示されるメニューの『MamiList3:アーカイブファイルとして開く』を 選択します。 すると MamiList3 が起動して、BG.ARCのリストを 作ってくれます。 画像は G24 のなので、このままでは画像を見れないので、 ここで Ctrl+A を押して全てをマークした後に、 メニューの[編集]->[マークしたものの拡張オプション変更]を選択して、 入力欄に;img/g24と入力して OK ボタンを押す必要があります。 後は、見たい画像にカーソルを合せ、ENTERキーを押します。 MamiWalk の登場によって、MamiList3 も少しは使いやすくなったと 思うのですが、どうでしょう?

システム

とりあえず、難をいうと、同級生(Win95/98) と同様、 ゲームはフルスクリーン表示 Only なところ。 ウィンドウ表示にできないのが痛いです。

新しい演出として、某PS の大作RPG のように静止画と静止画の間を 動画でつなぐ手法が使われています。 同級生(Win95/98)のエンディングでは動画に静止画を合成していたりしていましたが、 これはリフレインブルーの(真の)エンディングでも使われています。 最近は効果的に AVI を利用する方向にあるようですね。

文字は 24x24ドット(程度)のアンチエイリアスした 3タイプのフォントを あらかじめ別ファイルに用意していて、これを利用しているようです。 さらに、ルビ用に小さいなフォントも用意してあります。 ルビがふられた奇麗な文字を使っているので、 本当の小説を読んでいるかのごとく文章を楽しめるのが非常によいです。 文章にあわせてフォントも変えてあるなど、 文字にこだわりを感じます。 たかが文字ですが、 その文字で構成された文章を ひたすら読むノベルタイプだからこそのこだわりなのでしょう。

ルビをふること。 「リフレインブルー」はノベルタイプのゲームにはルビふりが重要だと 感じさせてくれる作品です。 ルビは、難しい漢字の読みのためだけに使われるわけではないんですね。 たとえば、よく漫画とかでは 「たくろう」と書いて「バカ」と読ませたいというような場合に ルビがふられていたりします。 読みと意味を正確に現わすためにルビは非常に重要な表現技法なのです。 今後、ノベルタイプのゲームはどれもルビをふりはじめるのではないかと 感じさせてくれるほど、ルビの重要性に気づかせてくれるゲームではないでしょうか。

BGM は CD-DA を使っています。 BGM に CD-DA を使うのもエルフ初。 WAVE はサウンドボードの質に依存する部分があるため、 本当にサウンドに力をいれる場合には CD-DA を使うことがあります。 半面、CD-DA はループ時に音楽が停止するのが難点なのです。 リフレインブルーでの BGM のループ時はやっぱり短時間ではありますが、 音楽が停止します。 ただ、私の場合、BGM の音量をもともとかなり小さくしていたので、 ほとんど気になりませんでした。 また、CD-DA による BGM の他、虫の鳴声や、波の音など自然の音を WAVE で再生してあって、 これが BGM 代わりとなっているのも気にならなかった理由の一つであると思います。 というわけで、ループによって音楽が停止する部分はいいのですが、 曲によっては音楽の途中でループする曲が一部あるようです。 私の使っている CD-ROMドライブのせいかもしれませんが、 ループ時に音がプチプチ鳴るので、さすがにこれは気になりました。

後日談(1999/12/3): やっぱりどうも、私の使っているドライブが変なみたいです。 なぜか、6トラック目の雫の曲だけ途中で音が飛んで、 数秒前から演奏をやり直しているようです。 おかげでゲーム中では経過時間をみてループしているのか、 最後まで BGM が演奏されずにループしているみたいです。 正常なドライブ使ってまともに最後までこの曲聞くことができました。 あー、こんな曲だったんだーって。少し感動しました。

「リフレインブルー」の原画は「下級生」の原画でおなじみになった門井亜矢氏。 彼女の描く女の子の絵は女の子の体の 「やわらかさ」や「あたたかさ」みたいのが表現されていて私は好きです。 男性の描く絵で、そういう感じものはなかなかないですね。 女性ならではということなのでしょうか。

色塗りに関してはいつもどおり全く問題なしですね。 今回はハイカラーではなく、トゥルーカラーなので、 同級生(Win95/98) より、より奇麗な感じです。

ところで、門井キャラとしては、私は「下級生」のみこちゃんが とてもお気に入りです。 リフレインブルーのパッケージに描かれている海童女ちゃんは、 もうほどんどみこちゃんそのもの。 その海童女ちゃんの絵のなかで F02A.G24が私のお気に入りです。 下級生スクリーンセーバコレクションに ついていたどのみこちゃんの壁紙よりも、この絵はよいのではないでしょうか。 最近は、壁紙になにも設定していなかったんですけど、 当分の間は、この絵を壁紙として使っていく予定です。

内容

マルチエンディングタイプのゲームの場合、 全てのキャラクタのエンディングをみるために 何度もゲームをはじめからやり直す必要があります。

この何度も何度もゲームをはじめから繰り返すという 行為そのものをゲームシステムにしてしまったゲームといえば、 『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』があげられるでしょう。

そして、『臭作』もまた繰り返す行為そのものをゲームシステムとして 組み込んでいるゲームでした。

YU-NO と 臭作 では、 ともに繰り返し、繰り返しゲームをプレイした後に、新たなシナリオが 始まる仕掛けになっていました。 この新たなシナリオを私は「本編」と呼んでいます。 つまり、繰り返し、繰り返しゲームをプレイする部分は、 長い長いプロローグというわけです。

リフレインブルーをプレイしはじめて比較的すぐに、 なんとなく、このゲームが YU-NO や 臭作のような雰囲気をもっているような 感じを受けました。 文章中によく出現する「繰り返し」という言葉。 タイトルの「リフレインブルー」のリフレインも意訳すれば 「繰り返し」という意味にもなるでしょう。 一体、何を「繰り返す」のだろう。 そして、誰のエンディングにもならなかった時の 海童女ちゃんの台詞「だいじょうぶ、きっとまたここに来るから」。 これと似たような台詞を YU-NO でも聞いたことがあるような気がしました。 繰り返しゲームをすること。 YU-NO や 臭作と同様にそれがゲームシステムとして組み込まれている。 そんな感じを受けました。

各女の子と心を通わせた後の スタッフロール、そして、エピローグ。 その後に表示されるTo Be Continuedの文字。 最初、この「つづく」の意味は、エピローグの後に 2人の話はまだつづきますよ。 という意味だと思っていました。 だけどやっているうちに段々とそうでないことに気が付くんですね。 そう、スタッフロールは流れたけど、まだゲームは終わってないよ。 そういう意味の「つづく」であることに。 そして、真のエンディングを見たとき、そのとき、 To Be ContinuedFin になるのでした。

主人公は場面場面で深景さんのことを思い出します。 思い出す内容は心を通わせている女の子によって異なります。 まるで各女の子が深景さんを構成するパズルのピースのような。 きっと全ての女の子と心を通わせたとき、 深景さんのすべてがわかるのだろうと、そういう印象を受けました。

女の子によって深景さんとの思い出の内容が異なる。 それは別のことを思い出すという意味では何も気にもなりませんが、 不思議なことに深景さんとの別れの内容も異なるのです。 でも、それもだんだんとわかってきます。 それがこの物語の主題に関わる重要な要素となっているのだと。

真のエンディングを見たとき、非常によい話を読ませてもらった。 リフレインブルーはそんな感じのするとてもよい内容のゲームでした。


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