その CG は当時16色CG の中ではもちろん最高水準。 しかし、いまあたらめてその CG を見てみると、 エルフゲーム最後の 16色ゲームであるYU-NO(1996年)と比べると 月とスッポンの差があることに気づかされます。 そして、1999年。ハイカラーCG となって同級生が帰ってきました。 その CG のクォリティはまさに天と地。 各時代の CGクォリティをエルフホームページで確認すると面白いですよ。
さて、新版の同級生。 起動するとフルスクリーン表示されました。 作業しながらゲームしたかったので、ウィンドウ表示にしようとしたのですが、 方法がわかりません。 メニューの出し方が分からないのです。 なんとなく F1 キーのような気がしつつ説明書を読むと、やはり F1キー。 でも、ウィンドウ表示にはできません。 あれっ?と思って Alt+ENTER を押しても駄目。 とりあえず、ウィンドウ表示はあきらめました。 次にサウンドの音量が低かったので、メニューのボリューム設定で 音量を最大にするもまだ小さく、システムのVolume Control でボリュームを大きく しようとしたのですが、なんと Alt+TAB でタスクが切り替わらない。 ゲーム起動中はゲーム以外の作業がまったくできないという。 これは不便です。
新版の同級生の舞台も夏休みではあるのですが、活動日は 8月10から 8月31まで。 夏休みの前半はバイトしていたという小説版「同級生」 と同じような設定になってます。 活動日が短くなり、毎日何らかの新しいイベントが起こるので、 まったく間延びがなく、最初から最後まで楽しくゲームを プレイすることができます。
後日談(1999/12/3): 掲示版で突っ込まれましたけど、 確認していないですけど、確かになんとなく、 オリジナルも 8月10日から8月31だったような気がします。 やっぱりシステムが改善されてサクサクすすむ感じなので 期間が短くなったように勘違いしてたみたいですね。
H.PD8, KYOKO1.PD8, KYOKO2.PD8
という 3つのゲーム中に登場しない女の子のデータがあることに気が付きます。
ファイル名からこの少女の名前は「キョウコ」であることが分かります。
ところで、私の感覚だと同級生2、下級生に登場する女の子はみんな非常に魅力的で、 特に同級生2だと「桜子、いずみ、唯」、 下級生だと「みこ、涼子」あたりがお気に入りです。 しかし、同級生に登場する女の子は同級生2、下級生に登場する 女の子と比べるとあまり魅力的ではなく、お気に入りのキャラもいません。 そんな中、はじめて「キョウコ」の CG を見た時、一瞬で気に入ってしまいました。 聞いた話では、SS版の同級生if には登場するとのこと。 新版の同級生に登場してくれることを期待していたのですが登場しないようです。 残念。
例えば、よしこ先生。 旧版では主人公の妄想という形だった絵の一部が妄想じゃない シチュエーションとして使われています。 また、この一連のシーン中で新版の主人公は妄想しないため、 残りの妄想の産物として絵は削除されていたりします。
新旧それぞれシナリオが微妙に違うので、旧版をプレイしたことが あるひとでも新版をプレイしても新鮮な感じを受けれます。
私は旧版の舞エンドで表示される CG が結構気に入っていたのですが、 エピローグが異なるため、新版ではこの絵は登場しません。 ですが、新版の舞エンドもすごく良い感じで気に入ってます。
非常に解釈の難しい気になるエピローグを見せてくれるのが美沙エンド。 他の多くが終生 2人仲良く暮らしました的なエピローグに対し、 美沙のエピローグは卒業式から数年後までしか語られません。 その最後のシーンは見方によっては別れのシーンに見えます。 同級生2のシナリオにあわせたエピローグなのでしょうか。 八十八町行きの電車にのるところも気になります。 このエピローグはどう解釈するべきなのでしょうか。 私にはわかりません。
まず一つは恋愛の対象となる女の子の大半は ゲーム開始時にすでに主人公との種々のイベントを経て、 主人公に好意をもっているという状態になっているということ。 タイトルの通り女の子のほとんどは同級生で、 ゲームの舞台は高校3年の夏休み。 この 2年半の間にまったく好意をもってくれなかった女の子が 高校 3年の夏休みの短期間で突然好意を持つようになる方が不自然ですから、 同級生のこの設定は実に自然です。 もちろん、「同級生」の恋愛の対象となる女の子は同級生だけではありません。 しかし、そのような女の子も実は数年前に街で見かけた主人公に 一目惚れ状態で、かなり好意をもっているという設定になっていたりします。 中にはゲーム開始後に双方ともに初対面の女の子もいますが、 こういった女の子は主人公の魅力に惹かれ短期間でおつき合いできてしまうわけです。 そうです。このゲーム、多くの同級生に好意を持たれ、 街ではじめて見かけられた人に一目惚れさせてしまうほど、 主人公が強力に魅力的という設定なのです。 もし、この設定がずるいと感じるのなら シンデレラの話を思い出してみるとよいでしょう。 シンデレラは魅力的だったからこそ幸せになれたのであって、 彼女と同じ境遇の人すべてがシンデレラになれるわけではないのです。 シンデレラはなるべくしてシンデレラになったといえます。 多くの女の子とのエンディングがあるマルチエンドのゲームの主人公もまた 魅力的だったからこそ主人公になりえるのでしょう。 この手のゲームの主人公が魅力的でなければ、その方が不自然と言えるでしょう。 とはいえ、恋愛の対象となるのは主人公の魅力に気づいてくれた女の子だけ。 魅力に気づいてくれない女の子に話かけても無視されるか、 罵声を浴びせられる結果になります。 もし、話かけた女の子すべてが主人公の魅力に気づき、恋愛の対象となってしまうと ゲームとして破綻してしまいますから、この設定は非常に良い設定と言えます。
このゲームはゲームシステムの性質上、あまり気がつきにくいですが、 主人公が街を自由に徘徊し、 そこで人と出会ったときに生ずる何気ない会話の一つ一つがイベントです。 そう考えると、一人の女の子とのエンディングを向かえるまでに 実に多くのイベントを経ていることに気がつきます。 そう、そもそも同級生はイベントが少なくて、すぐに H してしまうような 短絡的なゲームと考えるのが間違いだったのです。
ただ単に日常会話をしているように見えるものをイベントとみるのを 疑問とする人もいるかもしれません。 しかし、この一見日常会話にみえるものも、 主人公と話ができて嬉しいけど、それを主人公に悟られないようにしているなど、 女の子たちの一言一言にその心情がよく表れています。 蛭田氏はこうした心情表現が非常に上手で、 同級生、同級生2、下級生はこうした心情表現を楽しむのが面白いゲームだと 私は思っています。 女の子の一言一言の文章表現に心情がよく表れていますが、 声優による音声の表現はスパイスとなってこれをより引き立てます。 音声がじゃまなゲームや、有名な声優を起用しただけの 音声があってもなくてもよいゲームと違い、同級生は音声があることによって、 その面白みが一層増すゲームとなっています。 そういう意味で私はエルフさんに、 リニューアルではない新作をだして欲しいと思いつつも、 同級生、同級生2、下級生をリニューアルしたことには大賛成です。 はじめて音声付きでリニューアルされた同級生2のときは 非常に不安でしたが、 実際にゲームをプレイしてみて、 親友で互いに主人公に好意をもっていることを気づいている 友美といずみの一言一言に表れている心情を声優が上手に表現しているのに 衝撃を受けて以来、音声付きは歓迎しています。 もちろん、衝撃を受けれたのはゲームを一度やっていて、 人間関係が把握できていたからこそなのですが。
結局、何が言いたいのかというと、 同級生というゲームに偏見をもっている人もこのゲームをやってみる価値は あると思うし、 すでに旧版の同級生をやったことのある人は その人間関係を把握できているので、 音声付きでリニューアルされた新版の同級生は非常に楽しめますよ。 ということなのです。